骨粗鬆症|まの整形外科リハビリクリニック|京都市山科区の整形外科、リハビリテーション科

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骨粗鬆症

骨粗鬆症|まの整形外科リハビリクリニック|京都市山科区の整形外科、リハビリテーション科

治療方針

骨粗鬆症

  1. 腰(腰椎)、股関節(大腿骨)の骨密度を測定して正確に診断します。
  2. 採血で骨粗鬆症の状態を、正確に把握したうえで治療します。
  3. 薬、運動療法リハビリ、食事療法を組み合わせ、効率的に治療します。

骨粗鬆症とは

骨粗鬆症は、骨がもろくなってしまい(骨密度の低下)、骨折しやすくなる病気です。転倒などちょっとしたはずみで、背骨(脊椎の圧迫骨折)、手首の骨(橈骨遠位端骨折)、太ももの付け根の骨(大腿骨頚部骨折)などが骨折しやすくなり、骨折するとその痛みで動けなくなります。また、背中や腰が痛くなった後に、丸くなったり身長が縮んだりといった症状が現れることもあります。

骨量(骨密度)が低下していく過程で何かしらの自覚症状が現れるということはほとんどありません。しかし、骨密度が低下するに従って骨折しやすくなるというところがこの病気の怖いところです。
骨粗鬆症による骨折の代表的な疾患である脊椎圧迫骨折や大腿骨骨折を起こすと、寝たきりになったり認知症が進んだりして、これまでの生活が一変することもあります。
したがって、普段から転倒しないように心がけることはもちろんのこと、何よりも骨を強くしておくことが重要となってきます。
当院院長は前職場で骨粗鬆症専門外来を担当し、骨粗鬆症の患者さんの診断や治療の経験が豊富ですので骨粗鬆症に関することで心配事やご相談事がありましたらなんでもお気軽に当院へお越しいただきご相談下さい。

骨粗鬆症の診断

骨粗鬆症の診断は、骨粗鬆症に特徴的な脆弱性骨折(ご本人が自覚していない骨折)の有無、および骨密度の数値などを参考にして行います。診断がつけば、他の疾患が原因となっていない原発性骨粗鬆症なのか、あるいは疾患が原因となっている続発性骨粗鬆症なのかを鑑別し、その結果をもとに治療方針を検討します。

診察の流れ

1

問診

問診では骨粗鬆症に関して質問します。食事や運動、飲酒・喫煙などの生活習慣や、これまでの骨折および病気の既往、骨粗鬆症の原因になりうる薬剤の使用歴、年齢や閉経の時期などをうかがいます。これらは診断するうえで大切な手がかりとなります。

2

身体診察

身長と体重、背骨の変形、背部痛の有無などについて確認します。25歳頃の身長と比べてどの程度縮んでいるかということも、診断するうえでの指標になります。

3

レントゲン検査

背骨(胸椎や腰椎)のX線写真を撮り、骨折や変形の有無、骨粗鬆化(骨がスカスカな状態になること)の有無を確認します。他の病気と区別するためにも必要な検査です。

4

骨密度検査

骨密度は骨の強さを判定するための代表的な指標です。骨密度検査では骨の中にカルシウムなどのミネラルがどの程度あるのかを測定します。

DEXA(デキサ)法(骨密度検査)

波長の異なる2種類のX線を用いてその吸収率の差から、骨密度を測定します。全身のほとんどの骨を測ることができます。若い人の骨密度の平均値(young adult mean:YAM)と比較し、自分の骨密度が何%であるかが示されます。YAMが80%以上かつレントゲンで骨粗鬆化がなければ正常と判断します。現在、骨粗鬆症に関して、最も精度が高い検査と考えられています。当院では現在、最も精度が高いとされる腰椎および大腿骨近位部の骨密度を短時間で同時に計測できる最新の骨密度測定装置を導入しており、患者さんの骨密度のより正確な測定と最善の治療を行っております。

5

血液検査

骨代謝マーカー(骨の新陳代謝を評価)やビタミンDなどを測定することで、骨密度が今後どのように変化していくかを予想することができ、治療の必要性や治療方針(治療薬の選択)を決めるのに役立ちます。また、骨粗鬆症治療開始後の効果判定にも有用です。

骨粗鬆症は痛みなどの自覚症状がなく、発症し進行するケースがほとんどです。背中や腰に痛みを感じたり、身長が縮んだりといった自覚症状が出た時には、かなり症状が悪化していることがあります。早期の診断と治療がとても重要です。骨密度検査は、骨の健康を知るうえで重要な手がかりとなります。とくに女性は症状が無くても、40歳を過ぎたら定期的な骨密度検査をお勧めします。

薬物療法について

骨粗鬆症はタイプによって治療に用いる薬剤が異なります。閉経後で骨折リスクが高い(骨密度が低い)方は、ビスホスホネート製剤(骨の吸収を抑える薬剤、経口薬と注射があります)などが用いられます。骨折リスクの低い方には、活性型ビタミンD3製剤や選択的エストロゲン受容体モジュレータ(SERM:selective estrogen receptor modulator:エストロゲンを補う薬剤)を用いるケースが多いです。また、治療にも関わらず、骨折リスクが高い方は、PTH製剤やヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体など骨形成を促進させる注射製剤が用いられることがあります。最近では、作用機序の違う薬剤の併用療法も骨折リスクを減らすことが分かってきました。患者さんの年齢や病態に応じて治療薬を選択します。

食事

骨密度を増加させるためにはカルシウムの摂取とともに、カルシウムの吸収を促進するビタミンDや、骨へのカルシウムの取り込みを助けるビタミンKなどの栄養素も必要です。エネルギーと栄養素を過不足なく摂取することがポイントになります。

カルシウム 牛乳・乳製品は、カルシウムの含有量が豊富なだけでなく、吸収率もすぐれています。適量の牛乳・乳製品を積極的に摂りましょう。カルシウム摂取量を増やす工夫として、小松菜などの緑黄色野菜、ひじきなどの海藻、豆腐などの大豆製品なども取り入れると良いでしょう。
ビタミンD ビタミンDは骨量を保つうえで重要な栄養素で、食事と日光(紫外線)から体内に供給します。魚類(サケ・サンマ)やきくらげなどの食品を意識して摂りましょう。ビタミンDは日光が皮膚に当たることで活性化します。手や足に1日30分から1時間程度、日光を浴びるだけでも効果が期待できます。
ビタミンK ビタミンKは納豆や海藻類、緑の葉の野菜などに含まれています。これらの食品を毎日の食事にバランスよく取り入れましょう。

運動

運動不足は骨密度を低下させる要因の一つです。適度な運動は骨に圧力がかかり、その刺激が骨の形成を促進します。日常のなかに散歩や階段昇降などの運動を習慣として取り入れましょう。ウォーキングの目安としては、1日8000歩、週3日以上で骨密度が上昇するという報告があります。また、運動は転倒予防にも重要な役割を担っています。運動不足は筋肉量の低下を起こし、転倒リスクが高まります。転倒は高齢になるにつれて発生頻度が増加しますが、転倒により、大腿骨頚部を骨折してしまうと寝たきりの生活を余儀なくされます。無理のない運動を継続して行い、骨と筋肉の健康を維持していきましょう。当院では理学療法士による指導のもと、患者さんの体力や状態に応じて個別に運動療法の提案をさせていただきます。